憲法会議【声明】衆議院総選挙の結果を受けて─安倍政権の暴走加速を許さない 14年12月16日

【声明】衆議院総選挙の結果を受けて─安倍政権の暴走加速を許さない

2014年12月16日

憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議)

 

1.12月14日、第47回総選挙がおこなわれた。

総選挙では、「戦争する国」づくりと憲法、消費税の10%増税、経済、原発再稼動、基地・沖縄などの問題などが争点になったが、安倍政権は専ら「アベノミクス」の信任を問うとして国民の批判の回避をねらった。

結果は、暴走を続ける安倍政権が国民の批判にさらされ、自民党が議席を減らし、公明党が若干の増となり、小選挙区制という民意を歪める選挙制度に支えられ3分の2を超える議席を維持した。

一方で「戦争する国」づくりに正面から対決した日本共産党が議案提案権を得る躍進を遂げ、沖縄では新基地建設反対の「オール沖縄」の共同候補が完勝するなど国民は決して安倍政権を無条件に信任したわけではない。

 

2.安倍首相は「憲法改正にむけ努力して行く」と語り、集団的自衛権自衛権行使のための関連法制の整備についても「通常国会で成立させたい」などと表明、翌日公明党との連立政権継続合意にもその旨を盛り込んだ。

「信任された」とばかりに、改憲策動に踏み込む安倍政権の暴走は断じて許されない。

 

3.憲法会議は、「戦争する国」づくり、直面する集団的自衛権行使容認に反対し、直面する関連法制改定、日米ガイドライン改定などを許さない課題に全力をあげるとともに、安倍政権の暴走を止めようと願う広範な国民との共同を広げ、憲法を守り、くらしの隅ずみ、世界と日本の平和に生かすために奮闘する。

 

 

 

憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議)

   〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-10 神保町マンション202

     ℡:03-3261-9007 fax:03-3261-5453  Eメール:mail@kenpoukaigi.gr.jp

 

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全労連【談話】特定秘密保護法の施行に強く抗議する 14年12月10日

【談話】特定秘密保護法の施行に強く抗議する

 

 安倍政権は本日、国民の強い反対と懸念の声を無視して、特定秘密保護法の施行を強行した。全労連は、憲法違反の同法の施行に厳しく抗議し、廃止を強く求める。

 同法は、「わが国の安全保障に著しい支障を及ぼす恐れがある」という理由さえつければ、政府・行政機関が広範な情報を勝手に「特定秘密」に指定し、それに近づこうとするメディアや国民を厳罰に処すことができる内容になっている。政府の恣意的な秘密指定に何ら歯止めはなく、何が「特定秘密」なのかもわからないままに処罰されることが強く懸念される。国民の目、耳、口をふさぐ稀代の悪法として厳しく批判されねばならない。
 だからこそ、昨年の法制定以降も、法曹界や研究者、広範な市民団体、また、若者や学生からも厳しい批判の声が上がりつづけ、廃止を求める世論と運動が持続的にひろがっている。

 同法の施行と並行して、集団的自衛権の行使を具体化する法案等の準備も加速している。日米ガイドラインの中間報告で「周辺事態」という概念がなくされたことにみられるように、アメリカ軍と一体で世界中に軍隊(自衛隊)を派兵しようという意図は明白である。

 全労連は、広範な諸団体・個人との共同をいっそう強め、戦争する国づくりに反対する行動と一体で、職場、地域から秘密保護法の廃止を求める草の根のとりくみを推進していく。
 そのためにも、目前の総選挙で、安倍「暴走」政治にノーの審判を下す必要がある。暮らしと日本の未来がかかった歴史的な総選挙で、積極的な選挙権の行使を強く呼びかける。

 

 2014年12月10日

全国労働組合総連合
事務局長 井上 久

12月11日NO.31

◆12月10日秘密保護法施行・・・あきらめずに廃止に追い込もう!

 ◆各地から

・大阪憲法会議~自民党大阪府連へ要請

・大阪弁護士会~秘密保護法廃止求めるデモに250人

・兵庫憲法共同センター~秘密保護法施行抗議!昼デモに100人

 <本日10日21時半~サンテレビのニュース番組で放映予定>

 ◆各団体が声明

・新日本婦人の会

・全日本民医連

・自由法曹団など法律家8団体

 

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新婦人【抗議文】「海外で戦争する国」づくりは許しません 稀代の悪法「秘密保護法」の施行をやめ、廃止することをつよく求めます 14年12月8日

内閣総理大臣

安倍 晋三 様

 

新日本婦人の会
会長 笠井 貴美代

 

 昨年末(12月6日)に安倍政権が、国民の反対・廃案を求める声を無視し、「わずかな審議」で成立を強行した秘密保護法が12月10日、施行されようとしています。

 秘密保護法は、主権者国民にとってなにより大切な「知る権利」を奪う憲法蹂躙の悪法です。「何を秘密」にするかは「行政の裁量」であり、際限なく広がり、何が秘密かも知らないうちに犯罪者にされる可能性もあります。

 「戦争は秘密から始まる」と言われていますが、安倍政権はまさに、戦争準備の危険な暴走を続けています。今年7月1日には、大多数の国民の反対世論を無視し、憲法解釈を180度転換し、自衛隊を「殺し殺される」軍隊へと変貌させる集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を強行。10月には国民の「知る権利」を脅かす秘密法の本質はそのままに特定秘密の指定などを定めた運用基準と政令を微修正のみで閣議決定。さらには、日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定の中間報告で、自衛隊が米軍の戦争に地球上のどこへでも支援に出かけ、「後方地域支援」から「地域」をなくし、戦闘地域で活動するとを取り決めようとしています。

 真実を知らされず、侵略戦争に協力させられた痛苦の戦争体験をもつ日本の女性として、秘密保護法、集団的自衛権行使容認、憲法改悪など、「海外で戦争する国」づくりを絶対に許すわけにはいきません。新日本婦人の会は、秘密保護法の施行に反対し、その廃止をつよく求めるとともに、暴走する安倍政権に怒りを込めて抗議し、日本国憲法の遵守を強く要求します。

秘密保護法の施行に反対し、同法の廃止を強く求める法律家8団体共同声明 14年12月10日

 多くの国民の反対・懸念の声を無視して昨年12月6日、自民党、公明党による強行採決により成立した「秘密保護法」が、本年12月10日に施行されようとしている。私たち法律家8団体は、憲法の基本原理である平和主義、基本的人権の尊重および国民主権に反する同法の施行に断固反対し、同法の即時廃止を強く求めるものである。

 

1.民主主義を踏みにじる異常な制定経過
 同法は、昨年9月3日に法案概要が公表され、2週間という不当に短い期間を定めて行われたパブリックコメントでは、約9万の意見のうち8割近くが法案に反対する意見であり、各種の世論調査においても、過半数の国民が反対し、8 割の国民が慎重審議を求めていた。また、多数の自治体が反対の決議を挙げ、日弁連をはじめとする法曹界はもとより、ジャーナリズム、ノーべル賞受賞者をはじめとする科学者、学者、研究者、作家などの言論界、演劇人など、あらゆる国民の各層各分野から反対の声が上がり、国内のみならず国連人権理事会の特別報告者からの指摘や国際ペンクブ会長声明をはじめとする国際団体等から、国際的基準(ツワネ原則)からも大きく逸脱した同法案に対する深刻な憂慮の声が寄せられた。法案が国会に提出されるや反対の声は全国各地・各分野に広がり、法案に反対する市民が国会を包囲する行動が連日のように繰り広げられた。

 安倍政権は、これらの圧倒的な民意を無視して、同法の制定を短期間の審議により強行したのであり、同法の制定過程自体が、国民主権・民主主義の根本に反する暴挙であったといえる。

 

2.秘密保護法の危険性
 同法の本質は、同じく昨年の臨時国会で成立した日本版NSC設置法、本年7月1日に行われた集団的自衛権の行使容認を含む閣議決定と一体となって、集団的自衛権の行使、自衛隊による武力行使・戦争遂行を可能とする軍事立法であり、憲法9条に対する立法改憲・解釈改憲を狙うものにほかならず、この先の明文改憲に道を開くもので、憲法の平和主義の原則と相容れないことは明らかである。
 同時に、同法は、政府にとって不都合な国民の言論活動を、警察権力により封じることを目的とする治安立法の性格を併せ持ち、国民の知る権利、表現の自由、プライバシー権など基本的人権を侵害するものである。すなわち、行政機関の「長」の一存で「秘密」の指定や提供ができる同法は、行政による情報の独占と情報操作を可能とし、秘密の提供は、国会、裁判所を含めて大きく制約され、国民は何が「秘密」に指定されたかを知り得ないまま、「秘密」の漏洩行為等々が広範に刑事罰の対象とされる。これにより、取材・報道の自由、国民の知る権利その他一切の表現の自由は、警察による取り締まりと処罰を恐れて大きく制約され、国民主権の原理を支える基盤は完全に切り崩されることになる。
 また、適性評価制度は、行政機関や警察が、秘密を取り扱わせようとする者の、活動歴、信用状態、精神疾患に関する事項等の極めて高度なプライバシー情報について調査・監視を行い、選別を可能とする制度である。同制度は、公務員だけでなく、秘密を扱う民間企業等の労働者も対象となり、多くの国民がプライバシー侵害、思想・信条による差別といった重大な人権侵害の危険にさらされることになる。

 

3.施行令及び運用基準は、秘密保護法の危険性を何ら払拭するものではないこと
 本年10月14日に閣議決定された秘密保護法施行令および運用基準は、これら秘密保護法の持つ危険性を何ら払拭するものではなく、かえってその危険性を現実化させる内容であった。すなわち、施行令第3条は、秘密の指定機関を何ら限定していない。施行令第12 条は、「漏えいを防止するため他に適当な手段がないと認められる場合における焼却、破砕その他の方法による特定秘密文書等の廃棄」が行なえることを定めており、国民の知らぬ間に「秘密」が闇られ
る危険はむしろいっそう高まった。
 運用基準では、適性評価の「評価対象者の思想信条並びに適法な政治活動及び労働組合の活動について調査することは厳に慎み」などとしているが、不当な調査・監視を防ぐための具体的な制度は、なんら盛り込まれず、また、内閣保全監視委員会および内閣府独立公文書管理監は、内閣からの独立性はなく、国民の批判をかわすためだけに設置された「第三者的機関」の粗末な実態が端的に表れている。加えて、運用基準には、国民の大きな懸念である漏えい罪、取得罪等の罰則規定の謙抑的な運用について、具体的な言及が全くなく、人権侵害や悪用の危険性は何ら払拭されていない。

 

4.結語
 以上のとおり、民意を無視して制定が強行された秘密保護法は、憲法の基本原理である平和主義に反し、基本的人権を踏みにじり、そして民主主義・国民主権を有名無実化させる危険性を有したまま、今、施行されようとしている。
 法律家7団体は、これまでも3回にわたり、秘密保護法の廃案・廃止を求める共同声明を公表してきたが、法律の施行期限が目前に迫った今、新たに秘密保護法対策弁護団も加わり法律家8団体として、同法の施行に断固として反対するとともに、同法の即時廃止を強く求めるものである。

 

以上

 

2014年12月8日

社会文化法律センター 代表理事 宮 里 邦 雄

自 由 法 曹 団 団 長 荒 井 新 二
青年法律家協会弁護士学者合同部会 議 長 原 和 良
日本国際法律家協会 会 長 大 熊 政 一
日本反核法律家協会 会 長 佐 々 木 猛 也
日本民主法律家協会 理 事 長 森 英 樹
日本労働弁護団 会 長 鵜 飼 良 昭
秘密保護法対策弁護団 共同代表 海 渡 雄 一ほか