【声明・憲法会議】民意に背く、米国と肩を並べて海外で戦争する国への道、日米ガイドライン改定、日米首脳会談に抗議し、撤回を求めます

【声明】民意に背く、米国と肩を並べて海外で戦争する国への道、日米ガイドライン改定、日米首脳会談に抗議し、撤回を求めます

 

2015年5月1日 憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議)

 

1.4月27日、日米の外交・防衛担当大臣による日米安全保障協議委員会(2+2)で、「日米軍事協力の指針(ガイドライン)」が18年ぶりに改定されました。日米ガイドラインは本来日米安保条約の改定によって行うべき米軍と自衛隊の役割・分担を、単なる政府間の協議で行ったものであり、今回は米軍支援を世界規模でおこなうという重大な内容です。

 この新ガイドラインを実現可能とするため、自民・公明両党間で4月27日に合意された昨年7月の閣議決定を具体化する戦争立法─「日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態」への対処として、「国際平和支援法」=海外派兵恒久法の新設や周辺事態法の「重要影響事態法」への改定など─を通常国会の後半で強行しようとしています。日本を戦争する国、海外で武力行使する国に変えることになる戦後日本の大転換には、国民の多数が反対し、国会の審議もされていないにもかかわらず、ガイドライン改定を先行させたことは、戦争立法の企みとあわせ、憲法第9条はもとより、日本国憲法の人権と国民主権・民主主義の原則を踏みにじるものとして断じて許されません。

 

2.4月28日、安倍首相とオバマ大統領が会談し、「日米共同ビジョン声明」が発表され、共同会見が行われました。

 共同声明では日米間が「不動の同盟」「強固な同盟」「ゆらぐことのない同盟」関係にあることを強調しましたが、そこでは沖縄・辺野古米軍新基地建設、日米軍事協力の指針改定(新ガイドライン)、戦争立法法案化などを強引に推進する強権的姿勢が示されました。

 沖縄新基地建設をめぐっては、「新基地建設が唯一の解決策」とするなど翁長知事と沖縄県民の反対の声を無視し、新ガイドラインと戦争立法では、安倍首相が「米国の戦争に巻き込まれるというレッテル貼り的な議論が日本でされているのは残念」と述べるなど国民世論を一顧だにせず、国会にも諮らず、国の針路をめぐる重要問題を首脳会談で方向づけるなど、民主主義国家として異常としか言いようがありません。

 

3.憲法会議は結成以来50年、日本国憲法のじゅうりんを許さず、憲法を守り生かす運動を諸団体と力を合わせ進めてきました。

憲法会議は、今回の日米ガイドラインの改定、日米首脳会談で示された反国民的、反憲法的内容に強く抗議し、それぞれの撤回を求めます。

憲法会議は、安倍政権の暴走のもとで行われている史上最悪・最大ともいえる憲法への攻撃、究極の憲法第9条の解釈改憲ともいうべき戦争立法の策動を阻止するために、国民的な共同を拡大し、世論と運動を強めるために全力をあげ奮闘します。

 

 

 憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議) 

 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-10 神保町マンション202

 ℡03-3261-9007 Fax03-3261-5453 Eメール:mail@kenpoukaigi.gr.jp

【憲法共同センター・全国への呼びかけ】戦争か平和か歴史的岐路!戦争する国づくりを許さないために、全国でたたかいを強化しよう!

戦争か平和か歴史的岐路!

戦争する国づくりを許さないために、全国でたたかいを強化しよう!

                           

2015年4月30日

                           憲法共同センター運営委員会

 

 安倍政権は、5 月中旬にも「戦争立法」を国会に提出し、会期を大幅延長してでも今国会での成立を、米議会で「公約」するなど国民を無視した強行を策しています。憲法共同センターは戦争立法提出阻止、廃案に向けて全力で奮闘する決意です。

「戦争立法」で狙われていることの1 つは、日本が攻撃されていなくても、政府の独断によって自衛隊が海外で武力行使できるようにすることです。また、アメリカなどが引き起こす戦争に対して、従来禁止されてきた「戦闘地域」にまで入った支援ができるようにすることです。さらに、これまで特別措置法を制定して行っていたアメリカなどへの戦争支援を、恒久法(「国際平和支援法」)をつくって、「いつでも」「どこへでも」「切れ目なく」自衛隊がいけるようにすることです。自衛隊が戦場に出て行けば、自衛隊員の命が失われることが現実になってしまいます。それに対して与党内からも批判の声が上がり、共同通信社が3 月末に実施した世論調査によると、「安全保障関連法案」について、今国会で成立をはかることに、49.8%が反対と答え、賛成の38.4%を10 ポイント以上上回っています。また、5.3憲法集会が全国各地で予定され、共同の輪が大きく広がっています。かつてない規模で成功させ、戦争準備法案を許さない一大決起の場にしましょう。

 憲法共同センターは、安倍政権の進める戦争する国づくり、戦争立法を廃案に追い込み、安倍政権を退陣に追い込むために、5月~6月下記の行動をよびかけます。

 

 

1.憲法共同センター発行の学習パンフなどを活用し、引き続き学習を広げましょう。「憲法カフェ」「ミニ学習会」など少人数でもできる工夫したとりくみをすすめましょう。

2.全国で「9の日」を中心に宣伝・対話・署名をひろげましょう。戦争法案が、「世界中でアメリカと一緒に戦争する国」づくりのための法案であることを明らかにし、絶対に成立させない世論と運動を地域・職場・草の根から広げましょう。連日の宣伝行動の強化(宣伝行動強化ゾーン5/9-17)、とりわけ「9の日」行動を過去最高規模で成功させましょう。

3.地方から戦争法案反対の世論を広げるために、地元国会議員への要請行動(全国いっせい議員要請ゾーン5/20-29)、6月議会への意見書採択運動を強めましょう。

4.全国各地で、草の根の共同集会を開催しましょう。中央では、憲法共同センターや総がかり行動実行委員会がよびかける、野音集会(5月12日)、国会前行動(5月21日より、毎週木曜日)、国会前連続座り込み行動(6月15日~24日)、国会包囲行動(6月14日、6月24日)などに首都圏を中心に参加を強めましょう。

5.憲法共同センター主催「憲法闘争全国交流集会」(6月14日10時~15時 星陵会館)を、中央団体、全国47都道府県からの参加で成功させましょう。

 

要請書ひな形はこちらからダウンロード→

意見書ひな形はこちらからダウンロード→

【全労連・談話】日米首脳会談等の結果について(談話)

日米首脳会談等の結果について(談話)

 

 安倍首相が訪米し、4月28日にオバマ大統領と首脳会談をおこない、29日には米議会で演説するなどした(いずれも現地時間)。それに先立って日米の外務・防衛担当相の会談(2プラス2)が開かれ、防衛協力の指針(ガイドライン)の18年ぶりの改定でも合意した。

 それら一連の内容は、アメリカと一緒に海外で戦争する国づくりをすすめる日米軍事同盟の強化や沖縄・辺野古沖への米軍新基地建設の推進、さらにはTPP(環太平洋経済連携協定)の早期妥結など、日本の主権を蔑ろにする異常な対米従属の約束であり、断じて容認できない。全労連は世論と共同をいっそう強め、誓約の具体化を許さないたたかいに全力を尽くす。

 

 問題の第一は、新ガイドラインの改定で合意し、日米同盟のいっそうの強化と、そのための戦争立法の夏までの成立を約束したことである。「同盟のグローバルな性質」が強調されたとおり、地球規模で米軍の戦争に協力し、戦闘地域(戦地)で米軍支援をおこなうことが明記されており、憲法9条はおろか、現行の安保条約さえ超える内容にほかならない。しかも、それらは国会論議、戦争立法等の国会提出に先行して誓約されたのであり、二重三重に許されない異常な対米従属といわねばならない。

 くわえて、辺野古沖への米軍新基地建設についても、「唯一の解決策とする立場は揺るがない」などと、推進が米国に約束された。しかも、沖縄にとって4月28日は、サンフランシスコ条約発効で日本から切り離され米軍施政下におかれた「屈辱の日」である。オール沖縄の民意を無視し、土足で踏みにじるものとして厳しく批判されねばならない。

 

 第二は、TPP交渉の早期妥結が誓われ、議会演説等では、むしろ日本から能動的に推進が呼びかけられたことである。安倍首相は「単なる経済的利益を超えた、長期的な安全保障上の意義」を強調したが、米議会ではTPA法案の審議中であり、さらなる譲歩を迫られることは明らかである。マスコミ等が伝える部分的な情報からも、すでに国会決議を逸脱した譲歩となっていることは明白であり、交渉からの早期撤退こそ、日本の政府がとるべき態度である。

 農業と食の安全を壊し、雇用や社会保障の営利化など日本の経済主権を根底から脅かし、日米のグローバル大企業の利益のみに奉仕する亡国的な態度にほかならない。

 

 第三は、先の侵略戦争、歴史に真摯に向きあう姿勢があるのか、安倍首相の態度からは大きな疑問を持たざるを得ないことである。安倍首相は、先の大戦への「痛切な反省」を口にし、「アジア諸国民に苦しみを与えた事実から眼をそむけてはならない。歴代総理と全く変わるものではない」と、従来の歴史認識を引き継ぐ考えを示しはした。しかし、「侵略」や「おわび」という言葉は使わなかった。従軍慰安婦問題についても言及しておらず、「米国にはこび、アジアには冷たい姿勢ではないか」という疑念を拭うことはできない。歴史への真摯な反省なしに未来志向の関係を構築することはできないということを強く指摘しておきたい。

 

 2015年4月30日

全国労働組合総連合 

事務局長 井上 久

【自由法曹団・声明】ガイドライン再改定に反対し戦争法制立法作業の即時中止を求める声明

ガイドライン再改定に反対し戦争法制立法作業の即時中止を求める声明

 

1 日米両政府は、2015年4月27日、外交・軍事担当閣僚の会合(2プラス2)を開催し、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改定を正式に決定した。新ガイドラインは、日米同盟を一変させ、米軍と自衛隊が切れ目なく、地球規模で協力することを詳しく取り決めるものである。自衛隊の米軍への協力は、現在、政府・与党が進めている安全保障法制整備(戦争法制)の内容を反映して、他国への武力攻撃に対する武力行使を伴う作戦実施やアジア太平洋地域を超えた地域での米軍支援等をアメリカに約束するものとなっている。戦争法制と同様、明白な憲法9条違反であるとともに、「日本と極東」を前提とする日米安保条約の範囲をも踏み越えるものである。今まさに戦争法制を国会に提出しこれから審議をすると公言しているにもかかわらず、これに先行してアメリカとの間で、このような取決めをすること自体、民主主義、国民主権を侵害する暴挙である。

2 新ガイドラインは、日米防衛協力の取組みについて、これまでの3区分(平時、周辺事態、日本有事)を撤廃し、①平時からの協力措置、②日本の平和と安全に対して発生する脅威への対応、③日本に対する武力攻撃事態への対処行動、④日本以外の国への武力攻撃に対する行動、の4段階で「切れ目のない」措置をとるとしている。さらに、これに加えて、「地域の及びグローバルな協力」として、アジア太平洋地域及びこれを超えた地域における米軍支援等が盛り込まれ、宇宙及びサイバー空間に関する協力や武器開発等の軍事基盤に関する分野での協力・連携強化も約束するものとなっている。自衛隊の果たす具体的な役割分担としては、平時における米軍のアセット(装備品等)の防護、「日本周辺」や「非戦闘地域」という限定をはずした実施場所での無制限の米軍への支援活動、集団的自衛権行使を前提とした機雷掃海・弾道ミサイル迎撃等が打ち出されている。これらは、自衛隊をアメリカの世界戦略に組み込んで、アメリカが世界中で行う軍事行動に加担・参戦させることに道を開くものであり、また、日本を戦争する国に作り変えようとする安倍政権の野望に沿うものにほかならない。

3 自由法曹団は、憲法9条に反して、日本をアメリカとともに世界中で戦争する国にする新ガイドラインに断固として反対する。同時に、現在、政府・与党が押し進める9条違反の戦争法制整備に強く抗議し、あらゆる立法作業の即時中止を求めるものである。国民の大多数は、戦争法制の今国会での成立に反対している。私たちは、戦争法制の国会提出、審議入り、成立を許さないたたかいに全力で取り組む決意である。

2015年4月28日
自由法曹団 団長 荒 井 新 二