【声明】野党統一候補・鳥越俊太郎氏と市民がつくる都政の実現へ

野党統一候補・鳥越俊太郎氏と市民がつくる都政の実現へ

 

 来る東京都知事選において参議院選挙と同様、野党4党の統一候補を擁立するにいたりました。衆参両院において改憲勢力が3分の2以上の議席を獲得している現在、立憲主義と平和主義と民主主義を回復し、個人の尊厳を擁護する政治を首都・東京において実現することは、日本の将来において決定的に重要です。

 私たち市民連合は、野党統一候補の鳥越俊太郎氏を支持し、政策協議を経たのちにできるだけ早く推薦協定を結ぶ方針であることを表明します。

 都政は多くの課題において政治的解決を求めています。都知事が連続して金銭問題で辞職する事態は常軌を逸しています。ムダ遣いを洗い出す財政の刷新で、子育てや貧困児童の就学支援や高齢者介護の社会保障を充実させ、将来につながるムダのないオリンピックの開催準備、そして何よりも憲法を暮らしに生かし安心し安全に過ごせる生活の実現と、都民が主権者として参加し協力し合える都政の実現を推進しましょう。

 なお、前都知事の突然の辞職を受けて、参議院選挙のさなかから野党統一候補の擁立を模索する関係者の努力がなされましたが、そのプロセスは決して平坦とは言えませんでした。今後、市民と野党の信頼関係にもとづく共闘をいっそう深化させ、候補者一本化に際して充分な透明性や政策論議を担保するため、市民連合としては、原則として公開の政策討論会や候補者と野党間の公開協議などを実施することを野党に要請していきたいと考えます。

 

2016年7月16日

 

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

【アピール】参議院選挙の結果をふまえ、戦争法廃止・憲法9条改悪阻止に向け、共同のたたかいをさらに広げよう

アピール

参議院選挙の結果をふまえ、戦争法廃止・憲法9条改悪阻止に向け、共同のたたかいをさらに広げよう

                  2016年7月13日

戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター

 7月10日投開票でたたかわれた参議院選挙は、改選121議席のうち、与党が過半数を上回る70議席(追加公認含めて自民56、公明14)を獲得し、参議院でも改憲勢力が3分の2の165議席を占めた。この結果、改憲勢力が2/3を占め、9条を本丸とする憲法改正に向けて、自民党の改憲草案を軸にして、改憲論議が進むことは確実である。一方で、戦争法廃止・立憲主義擁護を掲げる野党勢力は44議席(民進32、共産6、社民1、生活1、無所属野党統一4)を獲得した。私たちは、「野党は共闘」の国民的な声に応え、戦争法廃止を求める広範な市民・団体と連携し、短期間に32の一人区すべてで「統一候補」を実現し、11の一人区では勝利した。野党統一候補が実現したのは国政選挙では戦後初めてであり、貴重な成果と前進を作り出した。また福島、沖縄で、現職大臣を落選させたことは、県民の意思を無視して暴走政治すすめてきたことへの審判として確信にすべきである。これらの結果から、私たちは、切実な要求を基礎に市民と野党の共同をさらに広げていくならば、政治を変えられることは可能だと確信する。

憲法共同センターは、昨年9月に戦争法が強行成立させられて以来、総がかり行動実行委員会が提起する「戦争法廃止を求める2000万人統一署名」を軸にとりくみをすすめた。また、毎月の9の日宣伝、第3火曜日の宣伝行動などを中心に、宣伝・対話を広げ、半年あまりで1300万人を超える「戦争法廃止署名」の国会への提出、憲法共同センターとして、1000万人を超える署名を集約した。これらの到達点は、「戦争法を廃止したい」「憲法9条守り生かしたい」という広範な市民の声と要求を総結集したものであり、戦後かつてない貴重な到達点を築いた。参議院選挙に向けて、総がかり行動実行委員会など5団体で「市民連合」を結成し、「野党は共闘」の国民的な声に応え、「選挙を変える・政治を変える」をスローガンに、「32のすべての1人区」で4野党統一候補実現の一翼を担った。6月末には、アピールを発表し、32の1人区での野党統一候補、複数区での戦争法廃止を掲げる候補者の勝利にむけて、全力で奮闘するとこを呼びかけ、全国各地で多様な活動がとりくまれた。全国で奮闘されたみなさんに心より感謝の意を表明するものである。

安倍政権は、改憲勢力が戦後初めて衆参で2/3の議席を獲得したことにより、今後、憲法改悪へ踏み出すことは確実である。安倍首相は選挙が終わったとたん、「憲法審査会で議論しながら、国民的な理解が高まるなかで、どういう条文か収斂していくことが期待される」などと、野党を巻き込んで改憲論議をすすめる強い意欲を示した。しかし、選挙期間中はアベノミクスの偽りの成果についてのみ語り、改憲問題については口を閉ざしてきた。そのような経過からすれば、2/3の議席を確保したからといって、国民は改憲問題に白紙委任したわけではない。また、戦争法の具体化である南スーダンPKOの駆けつけ警護、沖縄名護市辺野古への基地建設、原発再稼働、格差と貧困を広げるアベノミクス路線も強引に進めてくることは明らかである。これらの政策は、国民世論の支持を得ておらず、国民とのさらなる矛盾を深めることは明らかである。私たち憲法共同センターは、市民と野党との共同をさらに広げ、憲法改悪と戦争法の発動に反対し、暮らし、人権、平和を守るために奮闘していくものである。

                             以上

参議院選挙の結果に関する見解

参議院選挙の結果に関する見解

 2016年7月10日の参議院選挙において、自民党、公明党、おおさか維新、こころの改憲4党は合わせて77議席を獲得、改憲発議に必要な78議席には至らなかったものの、非改選の改憲派無所属議員4名を加えると、戦後初めて、改憲勢力が衆参両院において3分の2を超える議席を占める事態となってしまいました。

 しかしながら、憲法改正が徹底的に争点から隠され、野党共闘と市民の結集そして参議院選挙そのものについてさえ報道が極端に少ない厳しい戦いのなか、私たち市民連合が全国各地の市民運動と連携しつつ実現しました、全国32の1人区における野党統一・市民連合推薦候補のうち11名が当選を果たし、なかでも福島と沖縄という重要な選挙区において安倍政権の現職大臣2名を落選させたことは、市民の後押しする野党共闘という新しい取り組みが一定の成果を上げたものと考えます。さらにこれまで保守基盤の強かった1人区においても、善戦をはたした選挙区が少なくありませんでした。このことは3年前の参議院選挙において、野党候補が当時31あった1人区でわずか2議席しか獲得することができなかったことと比較すると明らかです。また複数区や比例区においても、広汎な市民が自ら選挙に参加し、野党候補を押し上げ、1人区も含めて3年前の参議院選挙(野党4党で28名)と比較して一定の前進(野党4党で43名)を獲得しました。

 残念ながら、私たちは今回の選挙で改憲勢力の膨張を阻止することができませんでしたが、市民と立憲野党(民進党、共産党、社民党、生活の党)が共闘する新しい政治の模索はまだ始まったばかりです。日本政治史上初めて、市民が主権者として連帯して野党の統一を促し、市民が政治を変える試みが実現したことの意義は大きいと思います。私たちは、この試みの成功と限界から教訓を学び、安倍政権の下におけるだまし討ちのような改憲の動きに毅然と反対し、個人の尊厳を擁護する政治の実現をめざして、ひきつづき安保法制の廃止と立憲主義の回復を求めてまいります。

2016年7月11日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

参議院選挙の結果を踏まえての、闘いの決意

参議院選挙の結果を踏まえての、闘いの決意

戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

①7月10日投票が行われた参議院選挙の結果は、当選者は、改憲勢力が77(自民56、公明14、維新7)で、立憲勢力が42(民進32、共産6、社民1、生活1、無所属野党統一4)となりました。野党共闘で闘った32の1人区では11人が当選し、野党共闘としての一定の成果をだし、また福島、沖縄で選挙区の皆さんの奮闘によって、現職大臣を落選させたことなど、次の展開への期待と希望が見えました。しかしながら一方で自公与党に改選議席の過半数をとらせ、非改選の議席と合わせて、改憲勢力に3分の2をとらせてしまったことは、極めて残念な結果であり、引き続き今回の選挙戦を総括しながら、安倍自公政権の暴走に対して闘いを強化する必要があります。

②安倍自公政権の路線は、「立憲主義をないがしろにする憲法改悪路線と格差・貧困を生み出すアベノミクス路線」であり、今回の選挙戦をつうじて民進・共産・社民・生活の野党は「改憲勢力に3分の2を与えない、アベノミクス路線ではなく、市民生活第1の経済政策を」と訴えてきました。

しかし野党の対抗政策が浸透せず、また様々な原因によって、安倍自公政権批判の受け皿に、十分なり切れませんでした。

③総がかり行動実行委員会は、憲法を破壊しながら進む安倍自公政権に対抗する基本戦術として、「戦争法廃止を求める2000万人統一署名」を軸に、全国的な大衆的運動と選挙戦における前進を2本柱として取り組んできました。参議院選挙に向けては、12月末、他の4団体とともに「市民連合」を結成し、「選挙を変える・政治を変える」をスローガンに、「野党共闘」を求めて、「32のすべての1人区」で4野党統一候補実現の一翼を担いました。野党候補の統一は、国政選挙では初めてで、画期的であり、このことによって選挙戦で自公政権に対抗できる体制ができました。

市民連合、総がかり行動実行委員会、結集している個々の団体は、こうした経過を踏まえ、野党統一候補・野党の勝利のため、全力で取り組みました。結果は、野党共闘で次の展望を確実に切り開きました。もちろん、初めての経験であり、野党4党、市民団体、労働団体、市民連合などの選挙の具体的取組は、選挙区ごと多様であり、多くの成果と克服すべき課題は残しています。改憲勢力に3分の2を与える結果となったことをしっかりとうけとめながら、次につなげるたたかいとしていくための総括議論が求められています。

④改憲勢力が、戦後初めて衆参で3分に2議席を獲得したことにより、今後、自公政権は「自民党の改憲草案」を基本としながら、憲法改悪へ踏み出すことは確実です。戦争法の具体化、沖縄名護市辺野古への基地建設、原発再稼働・推進政策などを加速させ、アベノミクス政策も強引に進めてきます。これらの政策は、世論・市民の支持を得ておらず、立憲主義・憲法を破壊するものです。私たちが直面しているのは戦後最大の平和と民主主義の危機にほかなりません。そのことから総がかり行動実行委員会は、引き続き、憲法改悪と戦争法の発動に反対し、暮らし、人権、平和を守るため、安倍政権の暴走に対抗する連帯の輪を拡大して、全力で闘いつづけることを宣言します。

2016年7月11日

「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」の集約と今後の取り扱いについて

「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」の集約と今後の取り扱いについて

 全国そして世界中から署名をお寄せいただいたみなさん、6月30日をもって「統一署名」の集約日となりました。これまで、全国各地で「戦争はいやだ」という思いを語り、日本国憲法の価値を確認しあいながら、署名運動に参加されたみなさんの大変なご努力、ご協力に心からの敬意と感謝の念を表します。

 6月1日に閉会した第190通常国会に提出された「統一署名」数は1291万4852人でした。その後も連日、各地から届けられてきており、6月30日現在で1350万人を超えています。
 「統一署名」は、昨年11月の開始から、わずか8か月で市民10人に1人以上という、これだけの人びとの思いを集めた画期的、歴史的な運動となりました。これまでになかった新しい共同の成果であり、戦争法に危惧し反対する気持ちが、いかに強く広いかということを示しています。当面する参院選挙では、署名に託された願いを実現するため、戦争法廃止と個人の尊厳を掲げる市民と野党の結束を固め、戦争する国づくりをめざす勢力にうち勝とうではありませんか。

 第190通常国会後に集約された署名については、参院選挙後の臨時国会に提出する予定です。また、これとは別に、ネット署名(総がかり行動Change org)の分は、首相あてに届けます(6月30日現在で1万500人)。
 そこで、「統一署名」の今後の取り扱いについて次のようなご協力をお願いします。
①お手持ちの署名用紙はできるだけ早く下記の総がかり行動の送付先または参加団体にお届けください。
②個人で、あるいはそれぞれの団体などで「統一署名」を継続される場合は、そのご努力を歓迎し、総がかり行動実行委員会(または署名の共同呼びかけ団体)に届けていただいた署名用紙は、総がかり行動実行委員会として責任をもって今後の国会に提出します。

 参院選後は、戦争法をめぐって緊迫した情勢が予想されます。南スーダンPKOへの自衛隊の戦闘部隊の派遣や、海外での日米共同作戦に対応できるような米軍と自衛隊の「物品役務相互提供協定」(ACSA)の改定、集団的自衛権の行使などでの自衛隊の「交戦規定」(名称は「部隊行動基準」;公表されない)の改定など、戦争法の発動やその準備が一斉に出されてくるおそれもあります。また、戦争法と憲法の矛盾を憲法改悪によって“解決”しようとする「安倍改憲」の策動も想
定されます。「統一署名」運動の成果を確信し、戦争法具体化の一つひとつの動きを許さず、戦争法の廃止をめざし、さらに行動を広げましょう。

2016年7月1日
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
(署名用紙の送付・連絡先)
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-15
塚崎ビル3F TEL 03-3526-2920