第208回通常国会開会にあたってのアピール 改憲発議を阻止し、いのち、くらし、平和を守る政治への転換を!

2022年1月17日

第208回通常国会開会にあたってのアピール
改憲発議を阻止し、いのち、くらし、平和を守る政治への転換を!

戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター

 

 新型コロナのオミクロン株が急速に感染拡大するなか、第208回通常国会が開会した。コロナ対応にPCR検査体制の拡充や医療、保健所体制の強化などのほか、在日米軍からの感染拡大の大穴となった日米地位協定の改定が求められている。年末年始に全国各地で取り組まれた相談会や食糧支援からもコロナ禍で国民生活が深刻さを増しており、その大本にある新自由主義の破綻を乗り越える政策転換は急務である。
 岸田内閣の2022年度当初予算案は、4年連続で100兆円を超える107兆5964億円となっているが、コロナ対策は予備費での5兆円にとどまり、コロナ禍においても病床削減をとりやめず、高齢者の医療費負担を2倍化して医療を取り上げる一方で、中小業者への事業支援や生活困窮者向けの給付金、医療・介護施設への減収補てんなどは計上しておらず、コロナ危機の下での国民のいのち、くらしを守る政治とはなっていない。
 社会保障を削減しながら憲法を逸脱して大軍拡に踏み込んでいることも重大である。敵基地攻撃能力を有する武器の保有などのために、軍事費は前年度比583億円増の5兆4005億円と過去最高額を計上し、昨年12月の臨時国会で成立した補正予算とあわせれば6兆円を超える大軍拡予算となっている。護衛艦いずもの空母化や国産ミサイル開発などに踏みこんでおり、他国攻撃可能な武器の保有は憲法上許されないとしてきた過去の政府答弁を逸脱するものとなっている。
 憲法をめぐっては、極めて重大な事態となっている。岸田首相は、年頭所感で「改憲は本年の重大なテーマ」と述べ、日本維新の会など補完勢力のサポートも受けて通常国会中の早い段階から衆議院憲法審査会での改憲論議を加速させようとしている。
 コロナ危機や米中対立の激化を逆手にとって、自民党が2018年3月にまとめた改憲4項目、とりわけ憲法9条への自衛隊の明記や緊急事態条項の新設などに強引に突き進む動きとなっている。事態は緊迫しており、立憲野党を励ますとともに「改憲論議ではなくコロナ対策を」「憲法を政治にいかせ」の声で国会を包囲するためにも、「憲法改悪を許さない全国署名」を一気に広げ、対話を強めて改憲阻止の世論を作りだしていくことが重要になっている。
 7月に行われる参議院選挙で憲法を争点に押し上げ、改憲勢力を少数に追い込むとともに憲法をいかし、いのち、くらし、平和を守る政治への転換をつくり出すための奮闘をあらためて呼びかける。
[行動提起]
〇「憲法改悪を許さない全国署名」を参議院選挙までに「1000万筆以上」の目標で取り組もう。
〇 毎月3日、9日、19日などを行動日に、駅頭や商店街、各戸訪問などでの宣伝署名行動を旺盛に展開しよう。署名推進の月間を4月から5月に設定し集中した取り組みを全国で展開しよう。
〇 憲法施行75年目の5・3憲法集会を成功させよう。
〇 学習会や憲法カフェなどオンラインも活用して旺盛に取り組もう

 

以上