2026年5月3日、江東区にある有明防災公園にて憲法集会が開催された。
当日の午後12時26分ごろ、有明防災公園の東ゲートから入場した年配の女性Aさんに対して警察官が複数人で取り囲み、湾岸警察署に連行する憲法集会始まって以来の前代未聞の許しがたい事件が起きた。
被害報告を受け、SNSで情報提供を求めたところ、多くの参加者たちが憲法集会当日、東ゲート付近で金属探知機による職務質問ないし所持品検査を受け、手荷物を開披させられた、身体検査を受けたとの情報が集まった。
Aさんは憲法集会の会場で一緒に参加していたお連れ合いさんとフルーツを剥いて食べようと、果物ナイフとフルーツをカバンに入れ参加しようとしていた。しかし、金属探知機の検査に引っ掛かり、果物ナイフを警察によって押収され、銃刀法22条に抵触する可能性があるとされ、刃渡り何センチか正確に測る必要があると、湾岸署へ連行しようとした。そこへ午後1時頃弁護士が駆けつけ対応にあたった。
Aさんが逮捕されて弾圧事件化すると恐れを感じた弁護士は、Aさんの警察署での任意聴取に応じることにした。警官が前言を翻して逮捕するなどの事態も想定されたことから、弁護士が湾岸警察署まで同行した。
警察署で警察はAさんに対し、身長体重、足のサイズ、血液型、顔写真、顔を含む身体の撮影まで記録されるというプライバシー権の強度の侵害を伴う許しがたい行為を行った。
その後、そもそも、なぜ果物ナイフを持っていることが警察に発覚したのかという話になり、主催者である弁護士は湾岸警察署で初めて金属探知機を用いた参加者への所持品検査等をしていたという事を知った。
Aさんに対し、警察は「キャンプなどの目的ならいいが目的外はだめだ」と言ったとのことである。非暴力で平和を求める憲法集会はレジャーシートを敷き、集会に参加するピクニックの様なほのぼのした雰囲気であり、キャンプとそう変わらない状況であることは一目瞭然であり、「業務その他正当な理由」(銃刀法22条)に該当することは明らかである。
Aさんは突然多くの制服警官、私服警察に囲まれ、大きな恐怖を感じたと話していた。このような卑劣な警察の横暴により、Aさんの楽しい憲法集会への参加時間は奪われた。その後も身体情報を警察にとられたことで監視対象になるのではないかという恐怖を抱えながら暮らしている。
そもそも、複数ある公園の出入口の中で金属探知機を用いた参加者への所持品検査等は東ゲートでしか確認できていない。仮に本当に参加者を守るためにチェックするのであれば、すべてのゲートで実施をしないと意味がないはずである。なぜ、一番人通りの少ない場所で行
っていたのか。
過去の憲法集会含めて公園内に危険物を持ち込んだ人物がいた、危害を加える予告があったなどの具体的な事情は一切存在せず、公園内に入ろうとする市民に対して身体・所持品検査等を行う根拠が存在しない。所持品検査は一般的に強度のプライバシー侵害を伴う行為であり、職務質問を伴う所持品検査についても司法は厳しい制約を課している以上は、何らか所持品検査を行う危険行為等の存在が必要である。そのような事情がない以上は本件の身体・所持品検査は行政警察権の裁量を逸脱・濫用した違法なものと言わざるを得ない。
翻って考えれば、本件の最大の目的は、身体及び所持品検査という手段を用いてデモに参加する人々を萎縮させる、場合によっては任意同行・逮捕するという警察・権力による不当弾圧あるいは暴走だったのではないだろうか。国会正門前を中心に3万6000人が集まった4月19日、憲政公園ではピクニックデモやティータイムデモが行われたことが好意的に広く知れ渡った。このことに警察・権力は恐れをなし、憲法集会でも果物や何らかの軽調理をするために果物ナイフを持っている人がいるのではないか、銃刀法違反でひっかけてやろうという意図があったのではないだろうか。
主催者として、右翼・妨害者対策に関しては警察側と事前に念入りに打ち合わせをしているが、参加者に対する身体・所持品検査は一切要請していない。もちろん金属探知機を用いる検査などお願いしていない。なんの根拠があってそのようなことをしたのか。参加者を委縮させる、ひいては民主主義を委縮させる行為は断じて許されない。
また憲法集会にかぎらず、このところ国会周辺でのデモ参加者への過剰警備に対しても併せて抗議をする。地下鉄の出入り口を塞いだり、横断歩道を渡らせなかったり、ハンドマイクで女性の耳元で大きな音を出すなど、もはや「警備」ではなく「嫌がらせ」である。このような警察によるデモ参加者の不当な規制は憲法21条にも違反するもので、「全体の奉仕者」(憲法15条2項)として憲法尊重擁護義務を負う民主警察としてあるまじき行為だ。
今後、参加者の皆さんが安心して参加できるように、またAさんを守るために今回の警察・権力の弾圧を実行委員会として厳しく糾弾し、再発防止のため徹底追及していく。
2026年6月8日 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会


