共謀罪廃案へアピール

話し合うことが罪になる!憲法違反の共謀罪

宣伝・対話・行動を強め、参議院で廃案にしよう!

                     2017年6月1日

憲法共同センター運営委員会

 

 安倍自公政権は、5月19日の衆議院法務委員会と23日の本会議で、共謀罪法案の強行採決を行い、衆院を通過させた。憲法違反の法案について十分な審議もせず、数の力でおしきった議会制民主義を破壊する暴挙に対し、私たちは満身の怒りをもって抗議する。

 

 この間の衆議院の審議で明らかになったことは、共謀罪を創設しようとする政府の説明が、ことごとく破たんしたことである。第一は、「テロ対策」と言っていたが、法案にはテロの定義すらない。政府は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結のためにも同法案が必要だとしてきたが、国連のプライバシー権に関する特別報告者、ジョセフ・ケナタッチ氏は「プライバシー権に対する十分な保護もないこの法案の成立を何ら正当化するものではない」と厳しく批判している。

第二に、政府は「一般人は関係ない」「内心を処罰するものでない」と繰り返してきたが、この点でも「嫌疑ある段階で一般人ではない」という答弁で明らかなように、「一般人」を特定するのは警察である。いまでも環境保護などを訴える市民まで不当に調査・監視している警察が、共謀罪によってさらに大きな捜査権限を手にすることとなり、「国民監視社会」への道が加速する危険がある。

 

 たたかいの場は参議院に移ったが、追い詰められているのは安倍政権である。衆議院は通過させたものの、野党と市民の共同のたたかいを受けて、世論は確実に変化している。世論調査では、8割近い国民が「説明不十分」と答え、6割以上が「今国会で成立させる必要がない」と答えている。マスコミも共謀罪法案の内容や審議の進め方についての批判を展開するとともに、森友問題、加計学園問題について、首相がきちんと国会で答弁するよう求めている。

いま、共謀罪法案廃案や、安倍政権のもとでの改憲反対を求める集会・パレードが全国津々浦々に広がっており、署名板の前に列ができるなどの報告が各地から寄せられている。情勢は急速に大きく変化している。

 

 安倍首相は、森友学園問題で「自分や夫人が関与していれば、総理大臣も議員も辞職する」と国会で答弁した。加計学園問題も浮上し、前川前事務次官発言で首相の関与の疑い深まった今、事実であれば政治の私物化に他ならず、断じて許されない。国会での集中審議、証人喚問で、徹底的に真相を明らかにすべきである。

 

 総がかり行動実行委員会と共謀罪NO実行委員会は、共謀罪法案について、参議院で必ず廃案に追い込むために、連日の国会前行動や座り込み、野外音楽堂での集会などを提起している。これらの行動を大きく成功させ、国会を包囲するとともに、宣伝・対話で、この間明らかになった法案の危険性を浸透させ、必ず廃案に追い込もう。

                                以上