憲法に反して臨時国会召集を拒否した自公政権に厳しい審判を(アピール)
8月31日に政府・与党は、野党4党(立憲民主党・共産党・国民民主党・社民党)が憲法第53条にもとづいて行っていた臨時国会召集要求を拒否した。
これは、「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定する憲法第53条を形骸化させる憲法違反の行為である。少数者の意見を政策に反映させる民主主義の基礎的な規定を蹂躙し、空洞化させる拒否回答は、憲法にもとづく政治の実施という立憲主義を著しく損なっている。強く抗議し、拒否回答を撤回して臨時国会を速やかに招集してコロナ対策など国民の切実な要求に政治がこたえるよう求める。
幾度か提出された野党の臨時国会召集要求に、安倍・菅政権は一度として応じてはいない。加えて今回は、要求を真正面から拒否した点で、これまで以上の違憲行為である。
条文でも明らかなように、また、2020年6月10日の岡山地裁判決が、「(憲法第53条にもとづく召集要求が出された後の内閣の対応は)召集手続きを行うために通例必要な合理的期間内に臨時会を招集する法的義務がある」とし、「内閣に裁量が認められるとしても限定的」と明示しているように、要求を拒否する権限を内閣はもっていない。
拒否回答した自民党の森山国対委員長は、予備費が残っているので「(コロナ対策などでの)補正予算は必要ない」と述べたと報じられる。しかし、各種の世論調査の結果では6~7割の回答者が政府のコロナ対策を評価せず、科学的根拠や専門家の意見を無視して感染拡大を招いた自公政権の失政への批判は強い。国会召集の拒否は、市民の切実な声を切り捨てるものでもある。
内閣が国会召集義務を履行しないことで、議院内閣制の下での国会による内閣の監視、抑制の力を削ぎ、三権分立という統治の基本原則を壊している。安倍政権以降、「(首相は)立法府の長」と言ってはばからない内閣優位の姿勢が強まっているが、そのことと召集義務の不履行とは無関係ではない。権威主義、全体主義の強まりでもある国会召集拒否の暴挙を黙過してはならない。
菅首相は臨時国会の召集を拒否する一方で、自民党総裁選挙への不出馬など「コップの中の権力闘争」にうつつを抜かし、国民不在の政治姿勢をさらに強めている。主権者無視の政治家や政党に、いのち、くらし、生業の明日を委ねることはできない。
目前に迫った総選挙で、立憲主義と民主主義を取り戻し、市民の願いにこたえる政権を実現するために、市民と野党の共闘の勝利に力を寄せあおう。心からよびかける。
2021年9月3日
戦争する国づくりストップ!憲法をまもりいかす共同センター