代わる政権の選択肢提示を歓迎する ―立憲民主党と日本共産党の政権協力合意をうけて―(談話)

 代わる政権の選択肢提示を歓迎する
―立憲民主党と日本共産党の政権協力合意をうけて―

 9月30日の立憲民主党と日本共産党の党首会談で、①次の総選挙において自公政権を倒し、新しい政治を実現する、②「新政権」において、市民連合と合意した政策を着実に推進するために協力する。その際、日本共産党は、合意した政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力とする、③両党で候補者を一本化した選挙区については、双方の立場や事情の違いを互いに理解・尊重しながら、小選挙区での勝利を目指す、の3点が合意された。

 9月8日に、市民連合が提示した6本柱20項目の政策を実行する政権の実現をめざすことに合意していた両党が、さらに「新政権」での協力の形にも踏み込み、各県によって立場や事情の違いはあるものの、両党が候補者調整した選挙区の候補者を「統一候補」とすることも確認した。そのことを、安倍・菅政治からの転換をもとめて運動を積み重ねてきた憲法共同センターとして歓迎する。

 市民と野党の共闘の到達点、政党間の合意をふまえ、目前に迫った総選挙で自公とその補完勢力を少数に追い込み、「新政権」実現のために奮闘する決意を表明し、多くの市民の皆さんの協力を心から訴える。

 2014年7月の集団的自衛権行使を可能とする閣議決定と翌年9月の戦争法・安保法制強行は、その後の憲法破壊の政治を加速させた。市民のいのち、くらしを顧みず、平和を軽視し、異なる意見を排除して説明責任も果たさない民主主義破壊、行政の私物化、野党の国会開催要求の無視、法的根拠も科学的根拠もあいまいな強権的なコロナ対策など法治国家を根幹から掘り崩す政治が強められてきた。

 権威主義的、全体主義的な政治手法が一般化し、明治期以降の家族制度の強化を意図して世界的な人権発展に逆行する政治に回帰する動きが露骨になった。

 そのような政治がさらに続くことは、コロナ禍でも明らかになった日本社会の歪み、医療、福祉、介護、教育などいのちにかかわる公共分野をやせ細らせながら軍事費を聖域化して大軍拡を続ける政治、ジェンダーギャップ指数世界120位という差別構造の温存のもとでの女性、子どもの貧困の実態、沖縄県の条例も県民の意思をも無視しての辺野古新基地建設の強行、福島原発事故の責任も果たさないまま原発の新増設、再稼働に突き進もうとする反省なき政治を免罪し、憲法が求める基本的人権実現の政治責任を曖昧にすることになりかねない。

 過日の自民党総裁選挙の経緯と結果は、安倍・菅政治を無批判に継承し、転換をめざす意思も能力もないことを明らかにしたことも強く指摘する。

 憲法第9条を次の世代に引き継ぎ、民主主義を主権者の手に取り戻し、個人の尊厳が尊重される社会に向かうためにも、次の総選挙での政権交代、市民と野党の共闘の力で連合政権を実現することは絶対の条件である。その点を改めて強調し、憲法を守りいかした政治を望む市民の皆さんが、その条件成就に力を寄せあっていただくことを重ねて訴える。

2021年10月1日

戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター